【最終提言】2040年を生きる、いまのこどもたちのための教育について
青森県教育改革有識者会議最終提言
【知事コメント】最終提言を受けて
■これまでの取り組みについて
・時間のない中で、アンケート調査からの取りまとめについて感謝。
・全国の実践者の声は本当に心に響いた。アーカイブしてあるので、多くの県民に視聴してほしい。私のチャンネルでも取り上げたい。
・また、アンケートの際に聞こえてきた悲痛とも言える現場の声には心が痛んだ。改革とその成果を挙げるには、スピード感が必要と改めて感じている。
■総合教育会議での伝え方について
・これからは県内での実践のフェーズになるので、今回の提言内容を次期教育大綱案に盛り込み、教育委員会で現場の声に耳を傾けながら実行していただけるよう、総合教育会議を通じて要請していく。
・その上で、私としては、以下の点について留意した上で、教育委員会に総合教育会議を通じて伝えていきたい。
〇提言内容の内外への発信が重要となる。教育関係者、保護者だけではなく全ての県民に発信して、理解と協力を仰ぐ必要があるだろう。
〇学校現場は、確証性バイアスが働いている。新規性のある打出しについて整理して、 現場には伝えていくべきだ。
〇メディアはどうしても切り抜きの報道になる。また、今回の取り組みの重要性を、どこまで理解して書き切れるか。丁寧に新聞やテレビに説明することが必要。テレビ出演やインタビューには積極的に応じてほしい。
〇ただ今回は、全くこれまでとは違うということを明確に示しながら、私はもう一歩進歩させて教育委員会に示していきたい。
〇具体的には、アンケートで多かった教員の採用増や適正配置についても明確に触れな がら、提示していきたい。
■これまでの議論を踏まえた来年度の方向性について
今回の提言内容の取り扱いについては、
①令和6年度の重点事業として位置付けた上で、予算措置を優先して講じることとします。
②来年度は、有識者会議のメンバーが、県内各地の現場で実践的に手取り足取り進めて いただきたい。その応援は惜しみなくさせていただきます。
③有識者会議のメンバーの実践の状況や有識者会議のメンバーと行く各地の視察につい て、県内の現場の先生方を研修に行かせてほしい。
●教育の中でも根幹に当たる学校教育は、本当の意味で変わるべき。時代が求めている、そして普遍的な意味において求められる智慧を獲得できる学びの場への変換が必要だ。
「知識の意味が変わる時代」
・もはや Google を始めとする検索エンジンの力に、誰もが勝てることができない時代。暗記やそれに基づく知識の量が知恵の根源であった時代からは大きく異なっている。
・今、大切なことは、「問い」と「問いを立てる力」。これをどう学校教育で培うことがで きるのか。このことを授業や入試で取り扱えるような教育を展開していただきたい。
「言語の知から体験の知の時代」
・教科書を中心とする活字の学びから、テレビ、SNS 動画、映画、漫画などからも知識を得る時代。活字以外の仮想現実からも智慧を体験的に得る時代になる。
「理論の知から物語の知の時代」
・理論を自分の力に変える力に加えて、人々の持つエピソードを自分の力に変える力を身につけることが必要な時代。変化が激しくなり、一方で AI のように人間性と科学技術が極 めて近づく時代になれば、かえって人間学のような活学というべきものを取り入れることが必要な時代。
●学校がこの時代とどう向き合って変化するか。真のリベラルアーツともいうべき知を獲得する場所として進化する姿を創っていただきたい。
こうした時代背景を踏まえて、来年度は、
(1)県立高校における入試制度の在り方
(2)県立高校再編の在り方
(3)授業の在り方
について徹底して議論し、令和7年度に実践できるよう、令和6年10 月までに取りまとめを行っていただきたい。
●私は、これからの時代にふさわしい知性と智慧を身につける場所に学校が変化していくことに期待しつつ、学校教育の現場を重点的に支援していきたいと考えています。
以上