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【次年度予算発表】青森県教育改革有識者会議からの提言と令和6年度の主な取組

2024年2月20日「令和6年度青森県教育委員会関係予算案」について、発表がなされました。「あおもりの未来をつくるこどもたちのための学校教育改革」の方向性に基づき、令和6年度はどのような取組へと展開していくのか、また予算化にどうつなげられているのかをお届けします。


1 提言から予算へ<令和6年度当初予算案>

  • 青森県教育改革有識者会議では、これまで11回にわたる会議での議論や教員・保護者等からの声をもとに、「2040年を生きる、いまのこどもたちのための教育について」(2023-2024 提言書)をとりまとめ、1月23日に宮下知事に提言しました。

  • この提言では、ただちに取り組むべきこととして「教育改革の3つの柱」を示しました。提言の内容は、2月7日に開催された第20回青森県総合教育会議において教育委員に共有されています。

  • 2月20日、宮下知事は令和6年度当初予算案を発表しました。予算案には「教育改革の3つの柱」に呼応した新たな取組が様々盛り込まれています。

<教育改革の3つの柱>
Ⅰ 学校働き方改革、教職員のWell-Being向上<教職員の余白づくり>
Ⅱ 教育DX、学びの環境アップデート<こどもたちの学びの環境づくり>
Ⅲ 学校の経営力強化<教育改革の出発点>


2 予算化に当たってのメッセージ

県及び県教育委員会では、この提言に呼応した、様々な取組を展開していくこととしています。特に、県教育委員会では、令和6年4月からスタートする「青森県基本計画『青森新時代』への架け橋」に掲げる政策の一つ、「あおもりの未来をつくるこどもたちのための学校教育改革」に力点を置き、予算化しています。その中で風張教育長は、下記の3点のメッセージを予算案に込めたとしています。

(1)これまでのICTの活用やグローバル人財育成の取組に加え、デジタル
 教材を導入することにより、こどもたちが「学びと挑戦」「主体性」等を身に付けられるような学びのアップデートを進める

(2)教職員の働き方改革を推進し、こどもたちの学びを支える環境づくりを進める

(3)市町村教育委員会に対する各種支援を拡充し、青森県全体で学校教育改革を進める


3 令和6年度の主な取組とその予算内訳

県では、令和6年度当初予算案において、政策テーマ「こども」に271.8億円を計上しています。このうち、学校教育改革を推進する予算として30億8,500万円グローバル人財の育成に向けた高校生等の海外体験の推進1,800万円としています。

特に、市町村教育委員会に対する各種支援を拡充・予算化し、県と市町村が一丸となり、改革に取り組むことを示しています。詳細な内容は、下記のとおりです。

 学校の働き方改革、教職員のWell-Being向上【約9億4千万円】 

◆県立学校の校務DX 
 県立学校における校務のDXによる教職員のWell-Beingの向上として、ICT教育サポーターの配置拡充自動採点システムの導入保護者等外部との情報共有や連絡手段のデジタル化を行い、働き方改革を一層推進します。
 
◆教職員の確保・育成
教員の魅力発信、人財確保に取り組むとともに、来年度の教員採用試験から、新たに、幼稚園教諭免許状保有者に対する特別選考の実施試験日程の早期化インターネットによる出願受付を実施します。

◆スクールサポートスタッフの全公立小中学校への配置 
教職員の業務を支援するためのスクールサポートスタッフを、令和6年度は県内全ての小中学校に配置します。

◆ 部活動改革の推進
部活動指導員の配置を拡充します。市町村担当者協議会の開催指導者の人材バンクの運用など、市町村への支援を行い、生徒のニーズに合ったスポーツ・文化活動の機会の確保に取り組みます。
また、部活動の指針を改定し、部活動の加入は任意であることや適正な部活動数とすることを改めて周知するほか、公立中学校の休日の部活動の地域移行に係る市町村の取組を加速化させるため、推進計画の策定や実証事業の実施を市町村へ強く要請していきます。

◆公立小中学校の働き方改革に向けた校務支援システム導入等の環境整備に対する市町村への支援 
公立小中学校における働き方改革の推進に向けた校務支援システムなどの環境整備等に要する経費について、市町村に対して財政的支援を行います。

教育DX、学びの環境アップデート【約20億5千万円】  

◆県立学校における学びのアップデート
デジタル教材や教育データの活用による個別最適な学びの推進として、県立学校において、デジタル教材を導入し、生徒個々のレベルに応じた学習英語4技能のバランスが取れた実践的なトレーニング学習等を推進します。  
また、学習系・校務系データを横断的に分析し、個別最適な指導に活用する「教育ダッシュボード」について、事例調査・研究等を実施します。

◆公立小中学校での33人の少人数学級編制の完成 
きめ細かな学習指導や生活指導のため、少人数学級編制を実施してきましたが、令和6年度は、国に先駆けて小中学校全学年において33人学級編制が完成します。

学校の経営力強化【約1億円】  

◆働き方改革に関する外部コンサルティングの活用による学校経営力強化のための伴走型支援 
働き方改革に関する外部コンサルティングを活用した学校経営力強化のための個別伴走型支援のほか、学校、保護者等を対象とした研修会の開催や教育委員会職員等への研修を実施します。  

◆コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的な推進  
学校運営協議会を設置する県立高校を7校から13校に拡充します(県立特別支援学校は全20校に設置済み)。

グローバル人財の育成に向けた高校生等の海外体験の促進【1,800万円】  

◆世界で活躍するグローバル人財の育成
本県の将来を担う高校生等が、グローバルな視野、素養や資質を身に付け、世界を相手に活躍できる人財となるよう、本県高校生等が自ら企画する海外体験に係る支援などを実施します。

宮下知事からは、「こどもたちへの投資は、青森県の未来への投資そのものです。こどもが上の世代を支え、下の世代を引っ張っていきます。こどもを真ん中に置いた政策こそが重要だと考えています」と伝えられました。

【青森県教育改革有識者会議note一覧はこちらから】